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音楽家としての厳しい現実。決断

2009/06/28
栗本です


今日はちこっとだけまじめな話です


昨日書いた様に

前回のカオフボイレンでの合わせ(プローベ)が最後でした。

理由は

テナー吹きのウドがカルテットから抜けるからです。

私のカルテット『panta rhei』でメンバーが変わるのはこれで2回目。


理由は個人レベルの違い


ウドは私達よりも一回り以上年上。

ウドがドイツでサックスを勉強していた当時は
はっきり言ってドイツのクラシックサックスのレベルは低かった

良い先生もいない。

現在もクラリネット奏者が平気でサックスを教えている国です
(上手に教えている人もいます!)


彼は私達が音楽大学で勉強する事、経験して身につけるべき事が出来ませんでした。

ただしなかったのかもしれません。


アンサンブル能力、
フレーズの作り方、
サックス奏者として最低限身につけるべき良い音を出す為のテクニック
いい耳

が彼には欠けていました。


そして何より問題だったのは『音楽を作り上げる術』を知らない事


ドイツ語で

musizieren(ムズィツィーレン)という動詞があります。

名詞Musikから出来た動詞だと思います

これは一言でいうと『演奏する』なのですが

奥深い言葉で 『音楽』を『演奏する』という意味があります


カルテットの合わせで『musizierenしよう』と言われたら

日本人の私でも意味は充分わかります。


でも、ウドは『その意味がわからない。僕は楽譜通りに吹いている』

と反論してきました。

彼と我々との『音楽を仕上げる』という一番重要な部分での温度差

同僚の音を聞いて対応する柔軟性

フレーズの作り方

フレーズ内でのちょっとした色の付け方

先を読む事



全てが不充分でその全てを合わせの時に教えなくてはいけません。

合わせの時間は限られています
ウドにだけ付きっきりになって教える訳にはいきません

私達がウドに教えている事は

すでに身に付いているべきもの

今から身につけるには並々ならぬ努力を必要とするもの



それでもチャンスはあると信じてきましたが

年齢のせいもあるのか

新しい物を吸収する事がウドには無理でした。限界が見えました。


私は私で自分の力を120%出したいし、まだまだ成長して行きたいので
ウドと吹いていては自分がダメになる、とまで思う様になっていたし、
事実合わせもはかどらず、停滞したまま。



トーマスとクリスティアンも同じ様に思っていて
何度か4人で話し合い解決策を探していましたが


ある日ウド本人からカルテットから抜けると言ってきました。



本人から言ってくるとは思っていなかったのでびっくりしましたが


正直ホッとしました。


彼にとっても重荷で、
どうして良いか分からず、サックスが楽しくなくなってしまったんだそうです。


これは本当にしかたのない事

厳しい世界ですが、出来ない人間は外されます



私達はプロとして活動し、プロとして報酬をもらっています。
お客さんは勿論、コンサートの主催者側にも満足していただきたいし
また呼んでもらいたい。自分たちも満足したい。

レパートリーを増やし、CDを作りそれを売りそして演奏して・・・

何より自分たちがプロとして音楽家としてさらに上達する為に
練習、合わせをします。

その中で、本当に残念な事ですが、今回の様に、
一緒に組んでいるメンバーとどうしても
これ以上続けてはいけないという問題にブチ当たる事が我々の世界ではよくあります。


理由はそれぞれですが

主に

音楽性の違い性格の不一致


自分が求めている様な演奏が出来なければフラストレーションが溜まる。
音楽性は合っても同僚と気が合わなかったら楽しく音楽が出来ない


音楽は生ものだからこういった問題が起こるとどうする事も出来なくなってきます

妥協して続けてもイライラするだけ。

カルテットは4人しかいません。4人全員が同じ方向に向かって進まないといけません。

私のカルテットのメンバーが代わった1度目は

私がいわゆる『後がま』として入った訳なのですが

当時一緒に吹いていた男性が常に情緒不安定

練習、活動に支障を来す。というのが理由で外されました。

情緒不安定から来る彼の性格にも問題があったようです



弱肉強食の世界。
私だって必死に生き残る為頑張らなくてはいけません。



私達の性格の相性はばっちりで
もし、ウドに上に書いた様な問題がなかったら
ずっとずっと一緒に皆で続けて行けたと思います

おそらく来週のパッサオが彼と演奏する最後の本番になるでしょう


ウドの代わりの人はまだ決まっていませんが

やりたいと言ってる人が何人かいるので
夏休み中にオーディションを兼ねた合わせをします。



またひとつ勉強になりました



栗本


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14:29 サックス | コメント(3) | トラックバック(0)
コメント
No title
アンサンブルって言うのはただ音楽を揃えることじゃなくて、いかにメンバー全員が全てにおいてシンクロ出来るかが良い演奏に繋がると思います。

年齢が違えば音楽の捉え方や考え方、演奏の仕方が違う。ある意味これも一つの良い経験になったんじゃないでしょうか。

今まで以上のアンサンブルが生まれるメンバーにめぐり合えると良いですね。
Re: No title
広津さん

メッセージありがとうございます。
そうですね。私もこのカルテットを組むまでは『学校カルテット』、いわゆる『絶対解散するカルテット』しかやってこなかったので、今回の事は本当にいい(?)勉強になりました。
何の争いもなく全員が納得して先に進めるのでしこりが残らず前に進めそうです。
No title
遅れましたが、ブログ拝見させていただきました。
音楽の世界は良く分かりませんが、スポーツの世界のようにお互いが競い合って演奏(戦っている)しているんだなーとこちらに来て何となく感じてきました。
個人としても他の誰かと演奏するのにも色々な能力が必要とされる世界なんですね。
これからも自分の納得行く演奏を目指して頑張ってください。
そして、いつか演奏会にお邪魔させてください。
それでは、また。

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